常識が違うと話し合いは成り立たない。


NFLの試合が終わり、選手たちは帰っていく。担当のケニーと私が残った。ケニーが「ホセ、ベティ、選手の3人で話すしかないよ」「え?全員と?!」「そう」「選手30人いるんだよ!」「ホセについてる選手は、10人でしょ、10回で済む。」


絶対無理!ホセを落城させれば済む話じゃないのか・・・

ケニーに「彼女たちとは価値観が違いすぎる。私が入っても話し合いにならないと思う。正義が違う、正しいと思っていることが既に違う。」と言うと、「私もそう思うよ。カリフォルニアの人は理解できない。」とテキサス出身のケニーが言うと、GHも「私もミシシッピ出身だから、カリフォルニア人を理解できない。」


そうなのか、アメリカ人はひとくくりではないのか・・・


その話を友人に話すと、「3人で膝をつき合せて話すって、テキサスっぽい」とな。


さすがアメリカは広い。州ごとに法律も違ったりする。アメリカが合衆国たるゆえんだ。


第0回ミーティングの後、「私はこの人たちとは、話し合いができない。」と思った点がいくつかある。

昨シーズンのユニフォームのサイズが、注文したものと違ってた。業者のミスだったので、新しいユニフォームが送られてきた。サイズが違ってもみんななんとか着ることができたので、昨年はミスサイズのユニフォームをそのまま試合で着用した。新しいユニフォームを翌年使おうと思ったからだ。すると一人の選手が、「それは元々私たちのものだから、私たちがもらう権利がある。チームは来季新しいユニフォームを買うべきだ」と言うと、ホセ軍団全員がそれに賛同した。チームがお金を出して買ったユニフォーム、彼女たちは一銭もお金を払ってない。


新人選手の彼が、いつも練習にくっついて来ていた。その彼が、「僕は将来コーチになろうと思っている。来季のヘッドコーチがホセじゃないと、僕はコーチになれないじゃないか。どこで勉強しろと言うのか。」と激昂し主張した。彼はチームのスタッフでもなんでもない。


こんな人たちとどうやって話し合いをすれば良いのか。常識を教えるところからか。しかし私の常識が世間の常識なのか。全ての基準がわからなくなってきている。


Betty Suzuki Official Ownd

アメリカ女子プロアメリカンフットボール殿堂入り選手。25年の選手生活後、チームオーナーを経て、2021年引退。引退後は、世界的ボディビルコーチ・ミロシュシャルチェブと結婚しプロボディビル界で働いている。

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